南アルプス南部縦走 ~ 悪沢岳、赤石岳、聖岳

椹島を拠点にした南アルプス南部の縦走コース。荒川三山、赤石岳、聖岳を5泊6日で一周しました。

●悪沢岳・赤石岳・聖岳のパノラマ写真はこちら

7月28日(1日目)

南アルプス南部の基地となる椹島までは、静岡からバスを乗り継いで行くため、丸一日かかります。
まずは大型のバスで、約3時間30分かけて畑薙第一ダムのバス停へ(左)。このバスは全員着席できて荷物は床下に置くことができ、トイレ休憩も途中1~2カ所でとるので快適です。右の写真はバス停から見た畑薙第一ダム。この頃、日本近海にいた台風がうまい具合にそれて天気が回復してきました。

畑薙第一ダムバス停から椹島までは、東海フォレストのマイクロバスに乗ります(左)。
出発まで1時間以上あるので登山届けを書いたり(右)、売店で昼食をとったりして時間をつぶします。
マイクロバスの乗車時に運転手さんに3千円を支払って宿泊施設利用券を貰います。

椹島ロッジでは受付順に夕食や朝食が用意されるので、翌朝早立ちするには急いで受付を済ませる必要があります。
マイクロバスの乗車時に貰った宿泊施設利用券を提出して、差額の5千円と消費税を支払います。受け取った領収書は、帰りのバスの乗車時に提示しなければならないので、なくさないよう大事にしまっておきます。

正面の建物には、受付と待合室、風呂があります(左)。手前の建物が食堂になっていて、その横に2階建ての宿泊施設が3棟あります。元々中部電力の宿舎だったのを登山用の宿泊施設として使用しているそうです。
さらに、進んでいくと売店や以前の椹島ロッジがあります(右)。

椹島ロッジの東側は広大なテントサイトになっています。
ところで、光岳から間ノ岳に至る静岡県北部の全ての土地は国有林ではなく、東海パルプの所有地で、その子会社である東海フォレストが、椹島ロッジをはじめとする南アルプス南部の山小屋を運営・管理しているそうです。

7月29日(2日目)

5時半から遅めの朝食をとり、休憩後6時半に出発しました。千枚小屋までは樹林帯の道が続きます。左手に赤石岳方面を見ながら進みます(左)。途中、清水平の水場で水を入れ替えます。6時間の行程はさすがに長く、蕨段から30分ほど進んだところで昼食をとりました。

ようやく駒鳥池への分岐に到着しました(左)。千枚小屋まであと40分です。
駒鳥池は片道1分程度で往復できます(右)。

千枚小屋に到着。小屋の前にはお花畑が広がっています。受付を済ませてテントサイトへ向かいました。
なお、この日の千枚小屋は百人以上の利用者でごった返していたそうです。

千枚小屋のキャンプ場は、小屋の前を通り過ぎて5分の場所にあります。水場やトイレから離れているので少し不便です。

7月30日(3日目)

この日は快晴。4時半ごろにテントを撤収し、千枚小屋の前で御来光を待って出発しました。
小屋の前のお花畑を登ると、ダケカンバのトンネルの中を進むようになります(右)。

二件小屋からの道が合流して赤石岳を見ながら急坂を登ります(左)。小屋から1時間程度で千枚岳に到着しました(右)。

悪沢岳への道は、ところどころ岩場の下りがあるものの基本的には稜線南側のお花畑の中をトラバースして行きます。

雷鳥発見。近寄らせてもらってもう一枚(右)。

別の雷鳥を発見。

悪沢岳が近づいてきます(左)。そして、最後の登り(右)。

悪沢岳に到着。南アルプス南部で最も標高が高いだけあって、眺めは素晴しいものがあります。
赤石岳へ続く稜線(左)。南アルプス北部の山々と八ヶ岳(右)。

山頂からの景色を堪能し、中岳に向かいます。

急坂を下り悪沢岳を振り返ったところ(左)。そして南面の眺め(中)。前方には赤石岳(右)。明るく快適な道が続きます。

クロユリが咲いていました(左)。
中岳避難小屋(右)の感じの良い小屋番さんは奥から冷たいジュースを出してくれました。入り口の横には昨日と今日の天気図が貼ってありました。

小屋の裏に中岳山頂があります(左)。そして中岳から10分程で前岳に到着します(右)。
前岳の西側はロープが張られています。ロープの向こうの崩壊部は、かなりの高度感があります。

前岳南斜面は全体にお花畑が広がっていて、このコースのハイライトになっています。
この斜面を下り荒川小屋に向かいます。

8時を過ぎると雲が上がり10時を過ぎるとガスの中、というのが普通ですが、この日は12時を過ぎても晴天が続いていたので、荒川小屋前で昼食をとり、赤石岳山頂まで行くことにしました。
小屋からの急な登りを過ぎると景色が一転、明るいお花畑の道から富士山を思わせるような殺風景な道に変わります。登山道から沢を見下ろしたところには雪が残っていました(右)。

大聖寺平からは300mの標高差をつづら折りに直登します。
小赤石岳を越えて赤石小屋経由椹島方面の分岐に着けば、赤石岳山頂まで約30分ほどです。この日は、赤石避難小屋に1泊しました(テント場はありません)。

7月31日(4日目)

この日の赤石岳山頂は午前2時頃からガスってしまい、ご来光は見られませんでしたが、8時半まで粘っていると霧が晴れて、眼下に大展望が広がりました。
赤石岳から荒川三山への稜線(左)。赤石避難小屋と聖岳(右)。

赤石岳からの下り(左)。右手には雷鳥の親子(右)。
赤石避難小屋の小屋番さんによると、雷鳥は南アルプスで800羽ほどしか生息しておらず絶滅の危険が増大しているそうです。

さらに高度を下げ、百間平手前のピークから赤石岳を振り返ります(左)。
広々とした百間平から赤石岳方面を眺めます(右)。百間平では登山道に沿って柵を作る準備が進められていました。

百間平から40分程で百間洞山ノ家に到着しました。水は豊富で水洗トイレまであります。
夕食はトンカツが出ると聞いていたので、この日は小屋泊まりとしました。

8月1日(5日目)

この日は3時に出発しました。中盛丸山までは東海フォレストが整備した新道を利用しましたた。夜明け前で、道幅が狭く、あまり踏み固められていないため、慎重に登ります。
中盛丸山の急坂を下るあたりから明るくなりはじめました(左)。小兎岳から中盛丸山を振り返ります(右)。

小兎岳から見た聖岳(左)その右側に兎岳(右)。兎岳から200m下って聖岳へ400m登ります。

兎岳の登りは意外にキツいです。

兎岳から小兎岳、中盛丸山方面を望みます(左)。そして、これから向かう聖岳(右)。

兎岳から、しらびそ峠と、その向こうに中央アルプス。

兎岳と聖岳の鞍部(左)。両側は崖になっていて落ちたら即死。そこからの登りは両手を使います。
その後もしばらくは崩壊地の縁が続く怖い場所。その後、ハイマツ帯の安心して歩ける砂礫の道に変わり、高度をあげていきます(右)。

聖岳山頂に到着。歩いてきた山を振り返ります(左)。
荷物を置いて片道20分の奥聖岳に向かいました。時期がもう少し早ければお花畑があったようです(左)。

復路。前方が聖岳。
10時を過ぎる頃から後発グループが続々と登頂して来ましたが、山頂は間もなく霧に包まれました。

聖平へは聖平を見ながらつづら折りに下ります(左)。そして痩せ尾根をしばらく歩いて(右)小聖岳の山頂に着きます。
小聖岳からは左手に聖平を見つつ、尾根づたいにぐるっと巻くようにして下りていきます。目的地が見えているのになかなか辿り着きません。

聖平への最後の下り。写真中央部分はヘリポートになっており、その向こうに上河内岳への道が続いています。

コースタイムから遅れること30分、12時半頃に聖平小屋に到着。
14時頃から、今回の山行で初めて雷雨がありました。雨の中を続々と到着したグループ曰く、小聖岳の山頂付近で雷に遭遇してハイマツの下でやり過ごしたそうです。左から右に雷が移動するのが分かったらしい。

8月2日(6日目)

この日は、12:20の静岡行きバスに間に合うように5時過ぎに出発しました。
聖平小屋(写真)は、奥の新しい小屋が食事付きの宿泊者用で、手前の古い小屋が素泊まり用(旧聖平小屋)です。
旧小屋の手前はテントサイトになっています。トイレと水場は左手方面にあります。

聖平小屋から3時間少々。コースタイムより1時間早く聖岳登山口に到着。ここから椹島までは50分ほどの林道歩きとなります。

ようやく着いた椹島ロッジ。さすがに下界だけあって、かき氷や生ビールなどといったメニューもあります。
売店では送迎バスの受付やシャワー入浴の申し込みができます。送迎バスは11時の便を申し込みました。
椹島のシャワー入浴とは、ロッジの風呂場に付いているシャワーが使えますというもので、浴槽にお湯は張られていません。男性はすぐに利用できましたが、女性はかなり並ぶようです。

畑薙第一ダムで下山届けを提出して、静岡行きのバスを待ります。
乗客が多い場合は補助席も使うので、あまり後ろの方に並ばない方が良いでしょう。下山届けを出す人、列に並ぶ人、乗車券を買う人、と役割分担しているしたたかなグループもいました。
ちなみに、乗車券(2550円)は横の売店で購入します。

リュックの重さが10kg以上の場合は、運賃の半額(1280円)を荷物代として支払うことになっています。
計量にはバネばかりを使用していました。